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藤田はるか 新作作品集「111l」

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写真:藤田はるかさんのinstagramより

『111 l』サイン入り
210mm×297mm 40ページ
藤田はるか写真事務所
2020年8月出版

2020 Budapest International Foto Awards「111l」

タイトルの「111l」は水蒸気の発見された惑星が地球からおよそ111光年(111 light years)離れた場所にあることから

憂鬱な雨が続くある夜、どこかで花火の上がる音が聞こえた。ベランダに出ると遠くの空の下の方で微かに光る。
毎年庭先で見ていた河原の花火大会も例年8月開催だったけれど気候変動のためとうとう10月に変更になった。今年はコロナの影響でそれも中止。
2月、私の写真展のトークイベントでお招きした中谷宇吉郎雪の科学館の現館長である古川先生から、宇宙のとある惑星の大気中に水蒸気の存在が確認されたことを聞く。
もしかしたら宇宙でも雪が降るかもしれない。
温暖化が進み悪循環の渦にある地球の現状と交互に、頭の片隅で誰もいない暗い空間で舞う雪を思い描く。
habitable zone
いつか人類はかつては美しかったこの土地を逃れて旅立つのだろうか。
残された私たちは様々な思いと願いを載せて花火を打ち上げるかもしれない。
外出自粛中の長梅雨の日々にそんなことを想像していた。
One gloomy, rainy night, I heard the sound of fireworks going off somewhere in the distance. Walking out on the balcony, I could see their faint glow off on the horizon.
Every year, the riverbank fireworks we would watch from our yard took place in August, but because of climate change, they have been moved later in the year to October. This year, they were called-off altogether because of the coronavirus.
In February, professor Furukawa, the current director of the Nakaya Ukichiro Museum of Snow and Ice, whom I invited to a talk event for my photo exhibition, revealed to me that water vapor was discovered in the atmosphere of a far-off planet.
This meant it may snow somewhere in space.
I thought of the present vicious cycle of global warming on Earth, and at the same time envisioned snow, dancing about in a dark space with no one around.
habitable zone
Will mankind ever abandon this once beautiful planet for another?
Maybe those of us left behind will set off fireworks, filled with our reflections on the past and wishes for the future.
This is what I imagined, stuck with nowhere to go, during the long and
rainy summer days.  
august 2020 fujita haruka