2022/01/27 18:02
撮影 いしかわみちこ
作品が、誰かの目に映った時、その人の息が「ふっ」と抜けたらいいなぁ。と思いながら制作しています。
吹きガラス中>
吹きガラスは、柔らかいガラスを回しながら制作していきます。均等にならないこともありますが、柔らかい素材を見ながら「いい形!」と感じたところで徐冷(電気炉の中で徐々に温度を下げてゆくこと)しています。
加工>
ほとんどの作品は、「サンドブラスト」を使い砂を吹き付けてガラスの表面を削り、曇らせています。サンドブラストでは、ツルツルで透けているガラスをどれくらい曇らせようか、イメージに近付くのか見ています。
削ることで、形を変えたり、ガラスの表情に優しい印象を持たせています。
今回、3つのテーマで構成しました。
1つ目は「おやすみの空気」
「おやすみ」という言葉は、相手への気持ちと共に、夜眠る前の穏やかな空気に優しく溶けこむ響きがあるように思います。その空気を思いながら制作した作品です。
2つ目は、色彩の作品。
月を見上げる時や ふふふと微笑んだ時、自分の記憶の中の気持ちや、その時の色彩イメージをガラスの中に映し込んだ作品です。
3つ目は、銅箔を使った作品「遠い涙の記憶」のシリーズ
銅とガラスが作り出す、深い水のような色彩は、涙のよう。そして、箔と色彩が重なり合うことで、静かな夜に遠い記憶を思い起こすような感覚で制作した新作です。